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Aさんのこと
Aさんのこと_b0036638_7254263.jpg 現職時代に視覚障害の生徒が入学しパソコンの音声ボードを使ったソフトや点訳情報を集めた時期がありました。
 その関係からAさんからコンタクトがありボイスメイトという勉強会を始めました。生まれた時から光の世界とは無縁のAさんは鍼灸業の傍らアマチュア無線、パソコン操作などにも巧みでおなじような視覚障害の方々のためにアドバイスをしておられました。
支援スタッフも増え、現職時代は途中から忙しくこの会から離れていましたが退職後また支援スタッフとして復活しています。
 Aさんは体調がよくないということは聞いていたのですが入退院を繰り返し1月23日未明に亡くなられました。病床にありながら昨年の11月まで例会に出たり、他の障害者団体主催のパソコン操作の講師もされ、12月はいよいよ体力が無くなってきたことを自覚され、後任の講師の手立てや会の今後を心配されていました。葬儀には会から供花を送り冥福を祈りました。式が終わり、「やと我々を見てはるんと違うかな」と話す人がいましたTVやマスコミには障害を克服し感動を与えるドラマ性の高いものを見聞きします。Aさんのように自分の障害と向かい合い誠実に生を終えた方を知ったことを記しておきます。
 一ヵ月後、いつものように例会があり、Aさんの意志をついで会の代表を引受ける方も出てこの会は続きます。
 パソコンの性能は年々新しくDOSからwindowsの世界に移行したときは、正眼者にとっては多機能の使いやすい環境が整っても、音声とキー入力でソフトが作られた視覚障害者にとっては新たなハードルの登場でした。音声関係の不具合をクリアされるのもかなり後のことになります。
 障害を持ちながらパソコンの能力にも詳しいAさんのようなセンスのある方はあまりいません。しかし、彼が作った集りの中でそれぞれの能力と情報収集を補完しあう集まりは続いていきます。
 画像は、1月25日の葬儀。下段は今後もう続けることを決めた2月の例会の画像です。
by okadatoshi | 2007-02-12 23:59 | 人びと | Comments(0)
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