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自分史への準備
小学校5年生の時から書き始めた日記を納戸兼書斎の片隅の本棚に一列に並べています。
同窓会や教え子とのHPの会話の中で当時のことが出ると開くことがありますが、一度開くとパンドラの箱モードでついつい読みふけってしまいます。
日記は正確に心情を書いているわけではなく意図を外した記述した前後の心理状態もそのまま思い出されます。もっとも最近は、5年連記にして日々の忘備録のようになり読んでいてもおもしろくありません。読み返すのも恥ずかしい若いときの激情・昂揚期のものなど、必要なものを自分史として残し、判断力の付く間に処分をしてしまいたいとも思います。こんなものは残された側も処分に困るでしょう。文章力を練るために始めたという永井荷風の日記のようにはいきません。そろそろ構想に着手してもいい時期かなとも思います。
郷土の大先輩で出版業を営んでいる福山氏から「自分史」についてメールを頂きました。少し長いですが以下、紹介します。同氏は、「孫達への証言」という戦争は二度と起してはならないという思いをこめた作品を編集され今年で17集を数えます。

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自分史を書く意義については①自分を含め先祖や家族の人たちのことを子孫へ伝えるためで、文字にしておかなければならない。②そのためにはノートに書いたものでもよいが、できればワープロで打ちコピーで数冊作って子供に渡してほしい。

ルーツ調べは①役所で除籍簿をあげれば明治5年までわかる。それより前は古文書など当たるしかない。家紋や名前では根拠がはっきりしにくい。せめて明治以降のわかる分だけでも、系図を作ってほしい。②お寺での過去帳では戒名や没年月日がわからないと難しい。③戦時中召集された人の軍歴は県庁の厚生課援護係でわかる。

書き方の注意点は①「自分だけ史」にならないよう「私は」という一人称はできるだけ省く。②「自慢史」にならないよう、ことさら自慢話を羅列しない。失敗したことも書く。③時代背景も入れることで、なぜそうしなければならなかったかが分かり、内容に深みが出る。④エピソードを中心にし年代順に書く。⑤人との出会いの場面にウエイトをおく。その後の人生が大きく異なっている場合が多く、そこを書き込むことでドラマが生き生きしてくる。⑥悪口に類することは書かない。もしその人が読んだらどう思うかを考える。書き手の人間性が問われることも。

もし本にし出版する場合はしかるべき「編集者」の協力を仰ぐ。原稿を印刷会社に持ち込めば本は出来るが、内容面で問題になるものが多い。社会性があり価値あるものにするには編集者の協力が不可欠。②お世話になったかたがたに「人生の感謝状」としてお渡しする気持ちが大切。定価をつけて元を取ろうなど考えないこと。③「本にする原稿を探しています」とか「あなたの原稿を本にします」などの広告には注意すること。「全国の書店におきます」といわれ判を押す人が多いが「売ります」とは言わない。売れるはずがないからだ。ここのからくりは一般の人には分からない。ご注意を。④部数は年賀状の枚数プラス二、三割を予備とする。

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早く同氏に出版についての相談などもできるようになればいいのですが、なかなか作業がすすみません。
by okadatoshi | 2005-05-25 15:19 | セピア色/若い時代 | Comments(0)
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