神戸市立博物館で開催中の
特別展ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞が8/28までなので今日は一人でゆっくりと行ってきました。▼
この暑さ、HPを見ると展示物の保護のために室温20度に保っているので上着の持参を勧めているのも魅力でした。
東京展の次に神戸に来て、このあと名古屋ボストン美術館(9/10~12/11)への巡回展になっています。
作品が鑑賞できないほどの人出ではなくゆっくりと鑑賞ができました。館内は撮影禁止ですが、
公式HPから概要がわかります。▼
実は”山の日”の祝日の今日は、午後から学芸員による作品の解説と講演があり、それにあわせて入場。1時間前に整理券をもらいます。▼
歌舞伎に造詣の深い人や江戸文化に興味のある人はより深く作品内容を理解できたのではと思いました。おもしろかったのは、ほとんどの展示作品の上部にその作品のキャッチコピーが張られていることです。
次の作品は国貞による「浮世人精天眼鏡 金性の芸者」という作品ですが、”いつか白歯を黒く染め”とあります。上部に書かれている
山東 京山の言葉の解説。この女性の目の動きが何を表しているのかなど90分に渡り当時の世相の解説がありました。浮世絵は現在のTVのワイドショウネタの記録にあたります。▼
江戸時代には”はんじ物”が流行ったようで、これは”役者名のはんじ物”でキャッチコピーは”クニサダ・コード”。鷺の絵が上半分だけ描かれているので「さ」、椀の右半分で「わ」、らむを逆さにして「むら」、鯛の半分で「た」、左端にあるのは野原で「の」、安徳天皇を背負い海に身を投げる典侍局(すけのつぼね)半分で「すけ」となり「さわむらたのすけ=澤村田之助(二代目)」となります。はんじ物にはまだ解読できていないものもあるとのこと。▼
歌舞伎役者の人間関係は複雑で色恋沙汰、敵対関係も背景に描かれたものが多いようでキャッチコピーも学芸員の思い入れが反映されています。今回の展示内容については、東京・名古屋・神戸の担当者がボストン美術館に直接知って作品の選定をしたとのことでした。
今日はディープな世界を垣間見ました。