激動の政治・経済展望~これからの日本を考える~
先月の12日に引き続き昨日(4/12)は懇談会へ行ってきました。
講師は、杉尾 秀哉氏(TBSテレビ報道局・専門記者室長)。

★プロフィール

1957年 兵庫県出身。1981年 東京大学文学部社会学科卒業・同年 ㈱東京放送入社。1998年 JNNワシントン支局 支局長、2004年 報道局社会部長。
2009年~「みのもんたの朝ズバ」、レギュラーコメンテーター。「ひるおび」レギュラー コメンテーター。「ざっくりマンデー」コメンテーター。

滑らかに早口で話し続けられました。講演会中のメモは、A6版のメモ用紙に12枚程度に収まるのですが、今回は18枚に及びました。
「ここだけの話~」話題も随所に出てTV画面と同じ親しみやすい話の掴みを連発されていました。
今回も私の印象でメモをとり、私の受け止めた印象を文章化しています。
講演者の講演内容のテープ起こし的な再現ではありません。▼
b0036638_2138142.jpg
●朝ズバの日は、朝3時起き

ただ今紹介されましたが、ひとつ阪神ファンであるということが抜けております。
朝ズバの日には3時に起きます。そのあとスタイリストの方に衣装合わせをします。衣装はスタイリストさんが選びますがポケットの中にNHKのアナウンサーの方の名刺が入っていたことがありました。
衣装は持ち回りのようです。
その後は、カメラで写りがいいように化粧をされます。白いライトを下からあてると顔のシミなどが隠れるので女性は証明の方を大切にします。また化粧も入念で女子アナウンサーは2時出社する方がいます。
その後、3時間新聞を隅から隅まで読みます。
ミノさんは、何を話すのかわからない。事前の打ち合わせはなくぶっつけ本番なのです。ですから、ミノさんが話す内容でこのまま放送しっぱなしではまずいよという話題が出てくるのです。その時は、「こういう立場、状況で起きたのではないですか」とフォローをしますが、それでもなお訂正してもその上にさらに危ない発言をされることがあります。
ミノさんは、世界一忙しい司会者としてギネス登録されましたが、睡眠3時間というのは誇張ではありません。
ミノさんは「仕事が来る時がハナだよ」と言ってくる仕事をすべて引き受けちゃう。
ミノさんはTBSのアナウンサー試験で落ちて文化放送に入ったが、そのとき受かったのが久米宏。いつかは久米宏を超えるというのが彼が今日まで来たハングリー精神になりバイタリティーの元になっています。仕事のないときは父親の水道メーターの営業で全国を回っていたけど、睡眠3時間の過激な売れっ子になったのは60歳になってからです。
ここにお集まりの自営業の方は大変と思います。仕事はいつもあるとは限りません。うまくいかないときにもバイタリティーを持ち続ける。「何かあっても絶対に投げたらあかん」というのが、ミノさんの信条です。

●短命だった民主政権

野田さんは私と同じ昭和32年生まれです。自身も言われいるように馬鹿正直な人でノーマルな方です。前回の衆院選挙が惨敗の理由は、それまでに思いつきでしゃべる首相が二代続いた性で、野田さんが解散時期を誤ったためという見方はありません。解散を遅らせればさらに議席を減らしたでしょう。
鳩山さんが首相の時にヤミコン(オフレコの懇談)で呼ばれ話す機会がありました。ヤミコン会場の時には、指定された場所に厨房の裏のようなところから目につかないように入っていってまた出ていくわけです。
その時私は首相に次の二つのことを述べました。
・最初の一年目はあれもこれも出なく“行政の無駄を省くこと”に専念してください。国民はそのことを願い注目しています。
・普天間移設についての発言は控えめにされてはどうですか。
その後の鳩山さんの行動は心もとないものでした。
現在の民主党は脳死状態に見えます。議席が取れそうなのは、滋賀・三重・岩手ぐらいと言われているけど岩手の平野議員は離党声明を出し無所属で出馬生命を出しました。滋賀も怪しいし三重もわかりません。比例区で若干当選はするでしょうが。大阪でも維新の会と拮抗している。
参院選挙の後で民主は分裂し消滅の公算もあります。

●安倍さんはラッキー

今回の衆院選挙で、石破さんは「今回の選挙で自民党が支持されたというのではなく野党が自らコケてしまった結果。」と述べています。
安倍さん自身も自分の首相復帰などとは思っていなかった。総裁選への出馬をためらっていた時に菅さんが強く推した。第一次安倍内閣のときに二人とも挫折を味わいそれを書き直しことでの思惑も一致してます。ですから、今最も安倍さんが信頼しているのは菅さんです。
総裁戦へ立候補した石原伸晃さんは、記者クラブで一緒だったが記者仲間では軽い人で通っていた。週刊誌にも報じられていますが、他社の取材原稿をそのまま送ったなどの逸話があります。
総裁選では谷垣首相を補佐する幹事長でありながら自ら総裁選に名乗り出ましたが、これを“平成の明智光秀”と痛烈に批判したのが麻生さんでした。
安倍さんにとって麻生さんは特別な存在なのです。安倍さんの相談相手は、石破幹事長ではなく、菅さんと麻生さんです。
安倍さんと石破さんの関係は必ずしもよくありません。この関係性が将来の火種になる可能性もあります。石破さんは地方議員には受けがいいが長老議員からは嫌われているようです。

●長期政権になれるか

総理に返り咲いた人物は戦後吉田さんと安倍さんだけです。
吉田総理も最初は1年で、返り咲いてから6年間総理をやり遂げて日本の方向を決めています。安倍さんも吉田さんの事を相当に意識しています。
安倍政権が安定するかどうかの分水嶺は参院選です。衆院は敵失でしたが今回が実質の決勝戦でしょう。
自民党が第一党になるでしょうが、議席数を注目する必要があります。
安倍政権は参院で勝って何をしたいのか。次の2段階です。
・96条改正 憲法改正の発議を3分の2から2分の1にする。
・9条改正 占領憲法を変えたい。
最近の安倍内閣の支持率は各社おおむね、60%から75%程度に上がっています。
参院選挙で自民が過半数を求める意見も60%と出ています。
安倍さんの不安材料は健康不安です。
前回総理を続けられなかった“潰瘍性大腸炎”は10人の医者10人とも関知しないという病気です。新薬アサコールで安倍さんは病状を抑えています。

自公で過半数はとるでしょう。
現在、憲法改正勢力は、自民・維新・みんな です。
会見をするための三分の二を得るには今年では無理で、次の2016年の参院選挙に衆参ダブル選挙で果たすということを言う人もいます。
6月の参院は自民が勝つでしょうが、さらにこれからの3年間に何が起きるのかわかりません。消費税増税、アベノミクスの内容、憲法改正論議 がどうなっていくのか。
これから内容が検討されていくのでしょうが現在の自民党が考えている憲法改正草案について考える必要があります。
第9条では国防軍になってますし、第21条では、「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」という文言も入っています。立憲国では国民が政党を規制するものですが自民草案では国民んを縛るものになっているように見えます。

●日本経済がどうなるか

今年の参院選挙までは期待感もあり、今年はそこそこいいでしょう。しかし、来年は厳しい。日銀の金融緩和策の中身はある程度予想されていたが、“黒田バズーカ”というわれるようにそれらを一気に出して周りを驚かせた。長期金利が荒れてきているのが気になります。10年金利が1.6台に上がっています。
1ドル100円(90円~110円)株価は15000円と黒田相場は1年は続くでしょう。ただ、その次に出せるものがないのではないでしょうか。
貿易赤字で円安が続く状態でガスが溜まっている状態に、マッチで火をつけたのが安倍さんです。
実体経済にどれだけ反映がされているのか、地方にはまだ届いていない。
これからが胸突き八丁。2%の物価上昇はハードルが高い。給料が上がるまでには2年くらいかかります。
アベノミクスにはアソノミクスも入っています。麻生さんは10兆円の補正を言っている。
日本が国債がどこまで信用されるのか、財政破たんの引き金になりかねないのです。
2%のインフレターゲットは実験的な要素が強い。デフレの国で物価上昇率を0から2%いした国はありません。
上昇相場で皆が今は踊っているが、踊りをやめたらどうなるのか。60%というわれる外国人の投資家は、日本の国がどうなるかなど考えていません。売り時とみて、一斉に売り出したらどうなるのか。

FISH(フランス、イタリア、スペイン、オランダ)といわれる欧州危機が言われユーロ圏の実体経済はダメになっています。これからは確実にアジアの時代になってきます。
2015年には中国がアメリカを抜くでしょう。インドの人口は中国を超えます。
これからは、中国、インド、アメリカ、ブラジルが国力を付けていきます。
アジアの中間層と富裕層の人口は、2010年にはそれぞれ10億人と6千400万人だったものが2020年には20億人と2億2000万人になると言われます。

●日本が生き残るには

この状態の中で日本は何を売り続けるのか。
“フィナンシャルタイムズ”は、日本経済について「日本製品の国際競争力の低下が問題」と報じていました。
かつては日本の電気製品は品質はいいが価格でサムソンに負けていると言っていたが、今やサムソンよりも低価格にしてももうソニーには戻らない。日本の弱電産業はアジアで負けてしまったのです。自動車産業は日本の電機産業の失敗を見ているから必死です。幸い自動車産業には日本が持っている特有の技術がまだあります。

TPPで農産物が生き残れないと言われますが日本の農産物にはブランド力があります。
日本のお米を象印の炊飯ジャーで炊いたご飯を味わった中国の富裕層は高くても欲しがります。
一個3千円の“世界一”というリンゴは贈答用に喜ばれます。一個千円のイチゴも中国では売りきれます。
塾の“公文”、コンビニ、ユニチャームのおむつも日本国内での消費量よりも海外の方が伸びています。
アジア諸国と日本とでwin winの関係を築くことがこれからは大切になってきます。
現在我が国周りには、日中韓の貿易協定、東アジア地域包括的統合(RCEP)、TPPがありそれらが最終的にはアジア太平洋貿易圏(FTAAP)への一里塚となっていて、日本はこのいづれにも関わることができる位置にあります。
この大きな枠組み作り、流れの中で日本はどのように生き残りを考えるかが、安全保障にも関わります。
TPPのリスクをヘッジしながらどうチャンスに変えるか、内向きではなく外向きのなることが求められています。

●急激な人口減少

現在1億二千七百万人の日本の人口は50年後には、八千六百万人と四千百万人減少します。年間福井県(八十万人)の人口分が減り続ける計算になります。人口の減少で経済が上昇した例は、中世のペスト流行時のフィレンツェしかありません。
日本の合計特殊出生率は1.3です。韓国はさらに低く1.19.フランスは、1.6から2人に増やしました。
これは女性が主産後も働き続けられる環境を社会全体で作ったからです。
若者がお年寄りを支えるのに以前は胴上げ型と言われていたのが、今は騎馬戦型と言われ、やがて肩車型になると言われています。これでは、下の馬を強くするには、女性・外国人・高齢者に注目すべきです。
日本の女性は第一子出産と同時に6割が仕事を辞めています。30代で女性の労働力が低下するというM字型になっています。
また女性の管理職も10%で西洋の43%に比べ低いです。デフレの正体の一つに人口問題があるのですが、安倍政権にはその対策が見えてきません。
次に外国人どれだけ受け入れるか。高齢者の労働力の活用もあります。

●高付加価値のモノづくり

海外のメディアは老人大国となる日本がどのように乗り越えるか、やがてそれぞれの国も同じ高齢化が予想される中で注目をしています。
東日本大震災の中での日本人の困難を乗り越える強さを評価しています。
今や世界のGDPの半分はアジアが担っています。日本の強さを見直して、新しい価値を作り出す“しかけ作り”をすべきでしょう。
アップルのiphoneの部品の半数以上は日本です。しかし、最も設けているのはアメリカのアップルです。これは企画力があるからです。

かつてはソニーはウォークマンを世に出しました。
日本のソフトパワーを引き出すべきです。
改めて日本の魅力を考えると震災後の日本人の態度、治安が良いこと-これは観光産業にはとても有利です。
介護秘術、クールジャパンと言われる日本文化・日本酒・日本料理もあります。
もっとも世界で良い影響を与えている国の一位に日本が選ばれました。
ユニクロはフリース、ヒートテックと新しいものを開発し伸びています。
かつて繊維産業の危機が言われたが、機器をばねとしてトーレは炭素繊維の開発で飛行機のボディーを作っています。
TPPで問題があっても産業を変えるきっかけにすれば良いのです。
高付加価値を作る部分で日本が生き残っていく道が見えてきます。
[PR]
by okadatoshi | 2013-04-13 21:46 | 講演会記録 | Trackback | Comments(2)
トラックバックURL : https://okadatoshi.exblog.jp/tb/20282271
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by maruyamakazuyo206 at 2013-04-13 23:30
toshi様
読ませていただきありがとうございます。お勉強させ
ていただきました。
Commented by okadatoshi at 2013-04-14 07:15
maruyamakazuyo206さん
かなりの部分は、週刊誌で報道されている内容とも重複していました。
実は、こういうマスコミのコアの部分にいる人たちの情報発信が週刊誌や政府の政策に反映されているのかもしれないと思いました。

普段歩ける範囲の事象しか判断できない私に比べ、よく勉強をしているなと、こういう講演会の講師に接すると思います。
聴衆を掴み話を逸らさない雰囲気作りは参考になります。
<< 視覚障がいの方の学習会(21)... 六甲高山から森林へ植物園のハシゴ >>