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ハンガリーで気になった絵のメモ
9月の中欧旅行で「マジャール人としての誇り(8日目)」2012/09/12で国立西洋美術館に行ったことには、すでに触れました。
ここでは、ブリューゲルや、エル・グレコの“悔悛するマグダラのマリア”の実物をあえるという収穫があったのですが、フランツ・フォン・レンバッハによる「ティテウス帝のローマの凱旋門」(ranz von Lenbach The Triumphal Ark of Titus in Rome)に釘付けになりました。
どこか懐かしく、学生時代に教科書か画集、あるいはTVで見たような気がする絵です。
その後、Webサーフィンや友人にも尋ね、作者やここに描かれていた門や現在の姿などメモしました。作者はフランツ・フォン・レンバッハ(1836-1904年)は、貴族でもあったミュンヘンの画家です。
もともと肖像画が専門で、自身も美術収集家でもありました。
彼の邸宅は、現在レンバッハ市立のレンバッハハウス美術館となっています。
この美術館は、「青騎士」派の画家たちの作品を多く収蔵することで知られています。

現在の門描かれた当時の門。頭で荷物を運ぶのは一般的なスタイルのようです。▼
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この画像にあるアーチはローマのコロッセオからフォロ・ロマーノへ行く途中にあるティテウス帝の凱旋門。
 ティテウス帝(足かけ2年だけの皇帝)。父親も皇帝(ウェスパニアヌス帝)でしたから、父親が善帝であったか判りませんが、キリスト教徒を迫害したネロ皇帝の十年後に皇帝になったこのTitus,Flavius Vespasianus は、慈悲深い皇帝として、オペラでは役作りされています。帝位に就いたその歳に、ウェスイゥス(ヴェスヴィオ)火山が爆発し、ポンペイが埋もれました。(畏友 Y.T氏のメール)

当初この門をくぐる家族に物語性を求めて検索を掛けたのですが、目の前の風景を忠実に再現をした絵です。この画家の筆遣いは見事です。(ここをクリック)▼
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絵画の壁の壁面の彫刻と実際のものを並べて見ました。
精密に細部まで現物通り描かれています。▼
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国内ではここのサイトがブダペストの西洋美術館の作品群を網羅しています。
by okadatoshi | 2012-12-18 21:03 | 絵ごころ | Comments(2)
Commented by shinmama at 2012-12-19 09:12 x

教えていただかなければ ならんでいる2枚の画像は 
どちらも「写真」のように見えます。
影の部分も含め、本当に細やかな描写をされているのですね。

この夏、ミュンヘンに行ったときに
「レンバッハハウス美術館」のすぐ隣のケーニヒス広場まで行きながら
何も知らないので 素通りしてしまいました。
残念なことをしました。
Commented by okadatoshi at 2012-12-19 09:40
shinmamaさま
最初にこの絵を見たときに小磯良平のタッチを連想しました。
徹底したデッサン力・描写力のある画家と思い彼に関するWeb資料を思いつくままに"Light Write"に貼り付けてましたが、年も越すのでリンクをつけてとりあえずWebメモとしてまとめたblogです。
当時は注目された画家でしたが、絵画史の流れの中では埋もれています。
この門の壁面は右側と左側をかなり検索できました。
ティテウス帝の功績を称える絵物語なのでしょうが、高い位置にあって保存状態もよく比較をすると馬の欠けた足などまったく一致していました。
遠景の建物の洗濯ものや女性や子供の着衣など当時の庶民の姿をそのまま写しとったものと思います。
次回、機会があればこの美術館と凱旋門も気になる場所ですね。
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