カテゴリ:読書( 37 )
筆算をひろめた男(丸山健夫著)
10/02の数学史講座の講演者の著書「筆算をひろめた男」を図書館から借りて読んでいます。当初スライド表示の「-1」が漢数字の1で”縦の数字が繰上りの1の表示と結びつかず”本を借りて確認しました。▼
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漢数字をアラビア数字ののように使って、当時のオランダ人たちが用いた計算の仕組みを説明した興味深い内容です。
この本によると、安政4年(1857年)に日本で初めての西洋数学書が同時に二冊出版されました。一つはオランダ人から教えてもらった西洋数学をまとめた本。もう一つは中学に伝わった西洋数学を元にした本です。
オランダ人伝授のほうは、「洋算用法」で作者は柳川春三。一方、中国経由の西洋数学は「西洋速知」でこの本の主人公福田理軒。(同書78ページ)
九九の表を「洋算用法」ではオランダ人の持っている数表通り紹介し(右)、次のページに漢数字で書きなおしています。ここではオランダ人が枡目になぜ斜めの線を入れているのか考えないまま消しています。▼
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これに対し「西洋速知」では、漢数字一、二、三・・・を1,2,3の記号に対応させて使い、当時のオランダ人が用いた筆算の計算方法を理解し紹介をしています。▼
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今では桁上がりを縦の計算で暗算で行っていますが基本的には同じ考え方です。
明治新政府が国家が学校を一律管理下に置くなかで、福田理軒は最後の和算家として戦い、最後に郷里大阪へ戻っていきます。
緻密な資料に基づく本書はおもしろい内容です。

国会図書館でデジタルコレクションで福田理軒を検索すると彼が出したヒット教科書「二一天作」の算盤の本等をデジタル画像で見ることができます。
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by okadatoshi | 2016-10-16 17:58 | 読書 | Trackback | Comments(2)
「今なぜ和算なのか」田村三郎著
昨日開催された近畿和算ゼミナールでも会員の方に「今なぜ和算なのか」が、ご子息の方から献本されていました。
田村三郎先生とはパソコンの教育利用の出版をお手伝いをしました。現職時代に日数教でご指導を受け、その縁で北の出講先の仕事も先生の推薦で後を引き継ぎました。
毎年の年賀状で数学パズルを出され、孫がその解答を送ったら返事を頂き、先生が主催している淀川散歩という公民館でのクイズ教室に招待されました。お亡くなりになる年の6月の連続正解者の表彰があり、孫は先生から直接賞状と図書券を頂きました。▼
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冊子のはじめに(クリック)に先生の最後のメッセージが読み取れます。
近畿ゼミナールの皆さんが編集されたもので最後のあとがきを少し長いですが紹介します。

あとがきにかえて ある数学者のエンディング・ノート

近畿和算ゼミナールという、学習塾か予備校のような名前の研究会が始まったのは、1991年9月27日のことであった。台風のさなか、7名が大阪産業大学田村三郎教授(当時)の研究室にあつまった。この準備会合を第0回として、会は2015年6月には第250回をかぞえた
本書の著者、田村三郎は、この近畿和算ゼミナールの中心人物であった。メンバーからは、「屯候さん」「屯候先生」とよばれていた。屯にはタムラ、候にはサブロウの読みがちゃんとあるが、ここでも、屯候さんとよぶことにしよう。
屯候さんは、べつだん近畿和算ゼミナールの代表者とは自称しなかったが、「誰でも自由に参加でき、発表できる、ちょっと知的なカルチャーセンター」と「定義」していた。
ほぼ毎月第2日曜、20人ほどがあつまる例会は、玉石混交、甲論乙駿、和気藹々とした雰囲気であった。屯候さんは、笑顔をうかべて会員の発表に耳をかたむけるのが常であった。玉石のうち玉のほうには、するどい指摘や質問をぶつけた。石のほうにはやんわりと今後の研究課題をしめし、やさしくはげましていた。
あるとき、一人のメンバーが質問した。「数学者って何ですか?どう定義するんですか?」
この質問に答えるため、屯候さんは大量の資料を調べに調べ質問への回答に代えたのでしょう。これまた膨大な数学者データベースを作成した。巻末の「和算家系図」は、その一部をぬきだしたもの。よくみると。一人の和算家が二人の師匠に学んでいたりする。そのような関係を探し出すのも面白い。
屯候さん自身の発表も何度もある。話題は、数学、和算のほか数学教育やパズルにおよんだ。発表のうまさでは、ナンバーワンと言っても、異論はあるまい、本書の第一章の書き出しのような、やわらかな大阪弁を駆使した軽妙な語り口はぐんをぬいていた。4時間ほどの例会は、おおむね4人が発表するならわしで、次回の発表者を決めるとき、「空きがあるなら、わたしが...」がいつもの弁。そんな屯候さんが、何を思いついたのか、自分からすすんで発表するようになった。それは、2013年1月にはじまり、同年4月までつづいた。
本書は、そのとき配布された原稿がもとになっている。今となってはエンディング・ノートである。今、なぜ和算なのか。屯候さんは、2013年12月8日の例会に出席したあと、暮もおしつまった同月29日、やすらかに旅立った。本書には、一人の数学者が生涯最後の瞬間に伝えようとした、智恵と思いがこめられている。現代という時代に、何を学び、どう生きるか。和算や数学教育に関心がある方はもちろん、これからの日本と日本人をおもうすべての人々に、ぜひ読んでいただきたい。

孫には、この本を見せて「田村先生の最後の教え子だよ」と言っています。
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by okadatoshi | 2016-04-11 19:41 | 読書 | Trackback | Comments(2)
その本図書館にあります
孫君の夏休みの読書感想文用の本と一緒に手に取って面白かったサラリーマン武士道―江戸のカネ・女・出世 (講談社現代新書) 新書”を今日は近くの図書館の支所へ返却に行きました。
書籍の購入にamazonがよく利用されます。
ブラウザでchromeを使えば、「その本、図書館にあります」をインストールすると中古情報以外に登録した近くの図書館にもその本があるのかどうか、表示されます。▼
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私の年齢になると書斎が狭い上にこれ以上本を増やしたくないので図書館や電子本で済ませることが多くなります。

今回返却した冊子の見出し。▼
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黒鉄ヒロシ氏の漫画が面白く、すぐに読めます。▼
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by okadatoshi | 2014-08-14 13:58 | 読書 | Trackback | Comments(4)
「大きな文字の文藝春秋」
いつも食料品を購入に車を出す週刊誌コーナーに、「大きな文字の文芸春秋」が並んでいました。
普段は雑誌をパラパラ見る程度ですが、芥川賞受賞作品が掲載されている特別号なので、さりげなくつれあいの買い物かごに掘り込みました。(成功)
今号からサイズが大きくなったのかと思ったら、これは一部地域の試験販売とあり、通常版は890円。このおおきな版は970円で2種類発売されています。
手元にある現行のサイズと並べて見ます。▼
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アンケート用紙があり、感想を投函する葉書も末尾についています。
確かに高齢者には読みやすいのですが、手元にずっしりとした重さも感じます。

今号の「爪と目」は、二人称の語り口を、サイコホラーとも評される展開は作者の才能を感じます。▼
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blogを素材にするなど時代の反映が素材に。受賞の知らせを母親に知らせようとしたら、母親が“ニコニコ動画”でモニターをしていたとのこと。
久々の雑誌の購入ですが、ざっと読めば特別号でもなければ、簡単に新聞紙を一緒に破棄する内容の軽さを感じました。
読みたい内容は、ネットサーフィンをすればより最新の情報が入ります。
電子化の中で雑誌の役割も変わってきます。

冒頭に編集部よりとして『「文芸春秋」は創刊以来90年判型を変えていません。・・・今回判型を111%拡大し文字数を減らすことなく、活字を大きくして読みやすくしてみました。』とありました。
手元にある復刻版を取り出してみました。
終戦の年の4月から9月までは印刷所の焼失で発行不能になり、終戦直後の十月号は、より小さく粗末な薄いザラ紙です。
米軍占領下の検閲の中、戦前の残渣を残しながらの新しい時代の息吹があり、この時期の「文藝春秋」の発効日のインパクトは今の比ではなかったと思います。
少ない情報でもその行間から国民に強い影響を与える言葉が伝わります。▼
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by okadatoshi | 2013-08-12 17:54 | 読書 | Trackback | Comments(4)
低糖質ダイエット(2)
1/18に表題の本に関連してblogアップしました。
医者からは一日の摂取カロリーをマックス1800kcalにするように言われてますが、低糖質を意識した食生活をその後続け始めました。2月に入りトレーニングジムは皆勤。
この4日間と12月上旬の4日間のトレーニングジム終了時の血圧の最高と最低、体重をグラフ化してみました。
4日間の比較だけでは断定はできませんが、2か月前に比べ減少傾向にあります。▼
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居間のテーブルには次のような本が置いてあります。
目で見るカロリー辞典は昨日長女が持ってきました。神経質に細かいカロリー計算にこだわるまでの状態とは思ってませんが、糖質を取らないように気にするだけでも効果があるように思います。そのための“絵本”です。▼
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次のような番組も意識付けには参考になります。

糖質制限ダイエット(1/2)



糖質制限ダイエット(2/2)


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by okadatoshi | 2013-02-04 19:31 | 読書 | Trackback | Comments(0)
低糖質ダイエット
最近はあまり本棚を増やしたくないので図書館で借りたり本屋で軽く立ち読みをすることが多いのですが、
低糖質ダイエット(永岡書店 ISBN-13: 978-4522431306)を購入し、私以外の家族も見るように居間へ置きました。絵本のように軽い本です、アマゾンでは、中身がある程度Web上で読めます。
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娘に聞くと以前は、以前は一日何単位というカロリー制限をしていたのが、最近は糖質制限と食べる順番で糖質が体に残らないという考え方になっているといいます。▼
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Web上でもらくしてダイエットなど多くの情報がヒットしますし、blogの中には糖尿病生活の記録ものはかなりあります。
母親の出勤で今日・明日と孫君が我が家へ。
夕食時のさっそく副食のGI値の高低や私の食事の手と付ける順番をチェックしてくれました。
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by okadatoshi | 2013-01-18 20:47 | 読書 | Trackback | Comments(2)
ある死刑囚との対話
ラジオ深夜便で奥穂高への往復バスの中で8/7~8に放送された“明日への言葉”のアンコール番組で加賀乙彦氏へのインタビューを聴きました。
小説を読むのではなく、作家自身の言葉で直接考えていることをじっくり聴けるので親近感がわきます。
特にラジオ深夜便にはCMもなく、視聴者の年代を絞った番組構成がされているので引き込まれてしまいます。

自身自身が79歳のとき9歳違いの70歳の奥様を突然死で亡くされた時の心境とか、東日本大震災時の一日の過ごしからなどリアルに話されていました。
今までこの方の著作は読んだことはありませんでした。
精神科医でカトリック信者というイメージが先行し、読みたいという気持ちまで行かず視界の外にありました。
ラジオのインタビューの中で、正田死刑囚を通じて“宣告”を執筆した経緯が話され、死を身近に感じる年代となりつつある現在話に引き込まれて聴きました。

先日、孫の読書感想文を借りるために須磨区の文化センター図書室で本を借り出した時に、加賀氏の執筆本の中から、“ある死刑囚との対話 (叢書死の文化)”を借り出しました。▼
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ここでは、2週間借りられますが、病院の診察時や電車の中を利用して何度か読み返しました。
死刑囚の回心していく経緯、彼との対話や残された膨大な書簡集が、その後の加賀氏の洗礼への影響を与えたことは間違いありません。
この中で、正田死刑囚は、刑場にいく1時間前まで母親と文通を続けていた女性への最後の手紙を冷静に書き続けています。
死刑廃止論や残された被害者遺族の心情などありますが、この正田死刑囚の残したものをや、彼の刑場へ行く直前の遺書などを読むと改めて、死刑制度や犯罪抑止論などについて考えさせられます。

ある死刑囚との対話 (叢書死の文化)
加賀乙彦 1990/3/10 初版発行 
ISBN4-335-95024-1
単行本: 236ページ
出版社: 弘文堂 (1990/03) @1550円
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by okadatoshi | 2012-08-31 20:31 | 読書 | Trackback | Comments(0)
インターネットが壊した「こころ」と「言葉」
b0036638_16421652.jpgblogerの方の紹介で本屋でも気になっていた本です。週に何度か三宮を通るので、三宮図書館に申込み最近読みました。

著者の、森田幸孝氏は広島市民病院で精神科副部長として勤務。
本の紹介では、
現代社会では、精神的な悩みを抱える人々が増え続けています。その背景として、携帯電話やインターネットの普及による急速なコミュニケーション手法の変化が挙げられます。これらが私達の思考力と言語力の低下を導き、ひいては精神の衰弱を引き起こしているのです。今、私達の身に何が起きているのか。ネットが我々の「こころ」にもたらした功罪を明らかにしていきます。
とあります。
ここをクリックして、“このほんの中身を閲覧する”をクリックすると「はじめに」と
出だしの部分が閲覧できます。

目次は、
第1章 いま、心と言葉が壊されている?精神医療の現場から見えてきたこと
第2章 言葉の衰えが止まらない
第3章 インターネットの二〇年がもたらした功罪
第4章 メリット、デメリットを生み出すSNSのカラクリ
第5章 インターネットが劣化させたコミュニケーション
第6章 日常に入り込んだネットが知的財産を侵食している
第7章 精神医療の変化
第8章 壊された「こころ」と「言葉」は再生できるか

前半では、“ウェブ上で多彩な人間関係を構築することにより、次第に人と人との関係が疎遠になり、親密なコミュニケーションを取ることが減ってきました。インターネットの普及以前であれば、自身の好きでない人や、あるいは苦手だとい感じるような人とも付き合っていかなければなりませんでした”と指摘、“「待つ」という行為が省略されたのが携帯電話やEメールなどによるコミュニケーションの変化”と述べています。
授業中にも机の下でこっそりとメールのチェックをし、友人と食事をしたり会話中でもメールの着信音が鳴ればその返事を打ち返し相手も特にそれを奇異とか感じない場面はよく目にします。
筆者はすでに、“言葉はすでに主役ではなくなった”と言います。SNSの短文と画像の普及により“言葉が磨かれなくなった”。そして“美しい言葉”に出会う機会も減りこのことが」精神面でも変化を起こしていると述べています。

このあとインターネットがもたらすメリットとデメリットにも触れていますが、筆者が危惧しているような子供たちの思考の変化は現職時代にも感じていたことでした。
またSNSのつぶやきによる実名と匿名の問題など“ネット文化”がもたらした現状分析は、うなずきながら読んでしまいました。
「聴く力」と「話す力」の衰退を生身の人間と繋がることで、再度どのように獲得していくのか、光の部分だけが注目を浴びやすい教育現場の負の部分への対応も必要と思います。
SNSにかかわる時間が多くその繋がりを肯定する人にとっても、筆者の投げかける“140文字”の言葉に対抗した「磨かれた言葉の獲得」や、「IT化の影の部分を見直す」ためにも参考にすべき本と思います。
インターネットが壊した「こころ」と「言葉」
森田 幸孝 (著)
幻冬舎ルネッサンス新書
価格880円
ISBN978-4-7790-6054-0

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by okadatoshi | 2012-05-08 16:43 | 読書 | Trackback | Comments(4)
きょう一日(徳間書店)
 今朝のあさイチのプレミアムトークでは五木寛之氏を取り上げていました。
79歳でなお、一カ月の3分の1は、公園・取材で旅に出ているという生活に密着し、普段の生活と健康維持についてのインタビューで構成をされていました。▼
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 五木氏の奥さんは、金沢市長の岡良一氏の娘で結婚当初金沢の小立野に住みそこで、直木賞受賞します。当時の金沢の喫茶店や本屋、古本屋など街の様子をエッセイで書いてますが、私が4年間を送った時代とも重なります。当時の鬱々とした時代の雰囲気をかっこよく表現する作家という見方をしていました。

 手元にある五木氏の本を探したら次のものがありました。
最近は、随筆などの人生論的なものに傾斜しおり、あまり読んでいません。▼
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 番組で取り上げられていた「きょう一日」(1260円)を、須磨パティオに出たついでに購入してきました。これは、五木氏自身が「養生」をしてきた“怠け者のでも続く五木メッソド38”の健康ものです。額に皺を寄せて読む処世本ではありません。
全てを数値化し、合理性を追求したどり着いてしまった現代にあって、Fukushima以後の健康法としては、ユニークな本です。▼
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by okadatoshi | 2011-10-07 16:07 | 読書 | Trackback | Comments(6)
MARUZEN&ジュンク堂書店の梅田店
 講演会を聞きに久々の梅田へ。帰りに梅田で先月22日にオープンした「MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店」へ立ち寄りました。
書店としては国内最大の売り場面積を持ち在庫数は200万冊と報じられています。▼
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 地上7階、近1階の8フロアあります。エスカレータとエレベータがあるので、階ごとに分類がしっかりしているので思った以上に効率的に移動できます。また、検索ブースが全てのフロアにあり必要なら目的の書籍の場所を打ち出してくれるので図書館よりも便利です。またベンチもあるので腰かけて読むこともできます。
書店よりも新設の図書館の雰囲気があります。▼
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 場所は、阪急梅田寄りの「チャスカ茶屋町」です。結構周りにも店ができており、梅田には詳しくないのですがショッピングも楽しめるゾーンになっていました。
阪急かっぱ横丁に「阪急古書のまち」を見つけました。14店が集合しており、梅田界隈でこれだけの古本屋が集まっている場所があることは知りませんでした。時間があるとき、この界隈は本好きの方にとってはたまらないワンダーランドです。▼
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 JR梅田駅界隈が大きく変わっています。今年の5月にはJR梅田駅と直結した三越伊勢丹がオープンの予定です。▼
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by okadatoshi | 2011-01-18 21:06 | 読書 | Trackback | Comments(4)