2013年 05月 26日 ( 1 )
パソコン通信時代をともに過ごしたHさん
息子さんから昨日電話があり、Hさんが未明に逝去されたという知らせでした。
腰の激痛でそれまでの老健施設から緊急入院をされ、その後鎮痛剤で小康状態というお話があって、先月13日にお見舞いに行ったばかりでした。
Hさんについてはこのblogでも次のタイトルで触れています。

フォーラムを立ち上げたH氏のお見舞い
fcaiを立ち上げたH氏の作品

facebookとNiftyのFCAIの記録を残すnewFCAIの部屋に訃報をアップしました。
夕方、当時の仲間と通夜に参列。
ネットにアップされた弔文をまとめご遺族に託しました。▼
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入院による通信環境がなくなってからは、USBメモリにノートで打ち込まれた文章やプログラムを郵送され相互に100通以上の手紙のやり取りをこの3年間にしました。
Hさんは、Niftyの教育とパソコンをテーマにしたFCAIで活躍をされました。
大阪府立高校で数学を教え、退職後は大学で情報の非常勤講師をされ常に私の先を歩まれた方でした。
2010年2月22日の広瀬さまから送られた十進BASICの作品です。▼
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Hさんは戦時中の勤労奉仕の作業中にグラマンの掃射を受け右腕を切断。
同じFCAIの会員のTさんは、「FCAIでの時空をこえた劇的な出会い、忘れられません。五日市線(当時の五鉄)、多摩川にかかる鉄橋の上で、列車に対するグラマン機による銃撃で、片腕をなくされたそうです。その事件を当時、2歳のワイフが記憶にあるということもありました。」という記述もあります。
Hさん、Tさんと私の連名で、情報処理学会(第43回=平成3年)全国大会に論文を掲載したこともあります。

病床にあっても短歌を続けられました。送られたものから最近のものを紹介します。

『林間』2013年2月号
弥生時代に稲を携え渡り来しは中国ベトナムインドネシアか
縄文人に大陸より来し人が混じり日本人の祖形となりしか
五千年前十和田湖作りし噴火ありその火山灰下の墓六千年前
岩手県遠野市にある縄文遺跡粉食示す磨石もあり
栗・団栗・栃の実などを磨り潰し縄文人は粉食せしか
先祖帰りせしiPS細胞を目的細胞にする遺伝子は?
肝臓の小さきしこりを分解せるオペ跡しくしく痛む冬だよ

『林間』2013年1月号
マウスなれどiPS細胞より卵子作り子を成す京大グループ
銅鐸の鋳型三十五個など出土せる茨木市立資料館楽し
秋さらば松茸飯にも巡り合いモロミ焼きなる魚の皮するり
三世紀卑弥呼は魏の国に使いやり紫綬・銅鏡を申請したり
銅鐸の神は地に堕ち銅鏡の神は魏の威借りて天神となる
国々の銅鐸・胴剣出雲に集め埋納せしめしか大国主は
角館をカクノタテと読む床しさよ秋葉原どうアキハガハラと

『林間』2012年12月号
秋の気の澄み透り来る神ほとけおわしますごとこの秋の気は
「大出雲展」に得たる銅鐸の専門書銅鐸鋳型が茨木に出たと
銅鐸の袈裟襷文と流水文は制作者の流派を表すものか
銅鐸は祭儀の主体か荘厳を目的とする祭具であろうか
弥生時代中期の終わりに銅鐸を埋納せし岩倉何と三十九個
弥生時代と言えば邪馬台国だ卑弥呼は銅鐸を見たであろうか
わが会計娘と息子に預けおりなんとかバランス保ちいるらし

次は編集部が募集したものに応募した文。12月号所載 
『私の出合った一首』
八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を
          (古事記)スサノヲ
 出合ったのは私が二十歳代半ばの頃でしたか、ショックを受けました。短歌を始めたばかりのときで、この純なことよ。と感じました。妻を得た。家を建てよう。というだけ。
「男子かくの如くあるべし。」「短歌かくの如くあるべし。」と思いました。
 今年二〇一二年は、古事記が生れて一三〇〇年、当時は仮名がありません。漢字で和語を表すのに苦労したでしょう。万葉集と同じように万葉仮名で書きました。そのため後世の人が読めなくなってしまいました。伊勢松坂の人、本居宣長が、万葉仮名を読める江戸の賀茂真淵に、手紙で少しずつ質問し、実に三十五年かかって『古事記伝』を書き上げ、やっと誰でも内容を読み取ることが出来るようになり
ました。宣長の生業は医者でしたから、夜、古事記の研究をしたのでしょう。

『林間』2012年11月号
鉛筆で中学生吾の引きたるは東京大阪間の弾丸列車線
磁気浮上と迄は思い及ばずもパンタグラフには疑念を持てり
大阪の天神祭の鉾流し神事は国産み神話に基づくという
わが父がアルツハイマー病に襲われし八十五歳に吾も近づく
そろそろと箸伸ばし来る隣席の爺ちゃんこれは俺の膳だぞ
銅鐸が大量に出土し「大出雲展」で新規学説の変化期待す
手打ち蕎麦の浮喜屋の天笊食べたしともうひと月も恋いつつ


こころからHさんのご冥福をお祈りします。
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by okadatoshi | 2013-05-26 22:44 | 人びと | Trackback | Comments(0)