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夏休みの提出作品
教科法は学校現場で役立つ内容にしたいので、以前もblogで触れたと思いますが、この時間は“学生”ではなく、“生徒”になってもらいます。
そのために、委員長席を設け、そこに座った学生は、授業の初めに「起立!礼」をいいます。
そして中学・高校の擬似クラスなので、夏休みの宿題もあります。
今年も前期最後の時間に“投げ込み教材”の課題を出しました。
Webが身近にある今の時代ですから参考になるネタは簡単に入手できます。
コピペでは評価は低く、別紙フォーマットで、「50分の空き時間に生徒に興味をひきつける内容でどの学年でどのように使うのか」ということを記述したレポートが必要です。
この他、ファイル以外のものは手渡しでも受け付けています。

今年のものをタイトルだけで表示すると
公式は使わず積分で体積を求める/不思議な魔法陣/美しいものはすべてフィボナッチ数列でできている?/忘れん坊の太郎君/紙のサイズ/タクシーと関数/仕事に使われる高校数学/数学に関係する職業/限られた条件で成功させよ/誕生日当ての仕組みを考えよう/すごろくで正負の足し算/指折り九九/3囚人問題/席替えを確率で考えよう/この勝負は平等か?/星形多角形/17段目の不思議/宝くじの確率と期待値/折り紙の最大容積問題/グラフでお絵かきしてみよう!/コピー用紙を折ったらどこまでいけるのか
等などです。

私個人でも楽しめそうなものに次のものがありました。

“定規だけで角を等分に分ける”
対象分野:中学・高校分野(高校生向き)
キーワード:チェバ・メネラウスの定理
ねらい:この問題を見てパッと答えがひらめく人はいないと思う。
    試行錯誤しながら完成させたとき実はチェバ・メネラウスの定理が成り立っていることに気づかせる。
参考url:なし 参考文献:なし(友人が教えてくれた)問題
今から(定規・長方形の紙・ペン)この3種類の道具だけを使って長方形のある1辺の中点を書いてください。
しかし、条件として①紙を折ることは禁止②定規は1本だけ
ちなみに定規とは直線・曲線・角などを描くときにあてて使う道具であり、メモリはついていません。めもりがついていて大きさをはかるときに使うものはものさしです。
友人は7等分までできたと言っていますが、私は3等分までしかできていません。

出来上がった作図のイメージ。▼
夏休みの提出作品_b0036638_16155697.jpg
“トランプの表裏の不思議を探ろう”
対象分野:高校(塾などで小学生にも使える) 数A
キーワード:図形
ねらい:身近なトランプを使った不思議な現象に対してとにかく興味を持ってもらうこと
参考文献:なし
バラバラに解体されたトランプを裏にしてパズルのように組み合わせると、ちゃんと一枚のトランプが完成します。それをひっくり返して表にして、パズルのように組み合わせると実はピースが1つだけ余します。なぜ1ピースが余るのかというのを子どもたちに考えてもらいます。子どもたちはこの不思議な現象に興味を持ち、なぜそのようなことが必死になって考えてくれるでしょう。
これを数学の範囲に活かせるとしたら、数Aの図形の分野で、問題を解く際に図形が似ているということだけで全く同じ図形になるということではないというのを身をもって体験してもらいます。子どもたちが図形を捉える際に興味を持って取り組んでもらえたらそれがなによりです。
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手渡し作品の中で、定規とコンパスがありました。▼
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コンパスの先にチョークを挟みます。また角度を固定するためにネジ部分を絞めます。▼
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この作品を作った学生は、小中の「夏休みの工作」と思い込み工具を作ったと言ってました。このまま、授業で使いたいぐらいですが、彼が教育実習へ行った時に使用すれば生徒たちも喜ぶので返却をします。
評価の基準は、自分の考えが明確・引用先・引用部分が明示されている・教室で役立つかなどがありますが、採点に時間がかかりそうです。
by okadatoshi | 2014-09-27 16:18 | 情報/数学/授業 | Comments(4)
Commented by kazewokiru at 2014-09-27 20:23
okadatoshi 様

高校1年生の数学「因数分解」の試験で、
100点を頂いた事をしっかりと覚えています。
無論、後にも先にも他教科にも記憶はありません。
高2以降、今に至るまで数学とは縁遠い生活を送っています。
高校1年の担任に気に入られたかったのでしょう。(笑

高校で管理職をされておられた頃、
数年間は授業から離れておられたと思いますが、直ぐに蘇るものなのですね。
と、言っても既に退職された後10年近く教壇に立っておられますが。
Commented by okadatoshi at 2014-09-27 20:37
kazewokiruさん
細かい計算は確実に処理能力は落ちています。
基本的な考え方や、問題を解く着眼点を話せばいいのと
ベースの部分で、考えることが楽しいという気持ちがあるので
そんなに苦にはならないし、この仕事を続けられるのです。
(多分)
Commented by shinmama at 2014-09-28 09:01 x
おもしろそうなタイトルも 生徒の興味をひきそうで イイですね。

7等分、、、、難しそうですね。
でも面白そうなので とりあえずやってみる暇な私です。(笑)
チェバ・メネラウスの定理? 
もう一度 数学の勉強をしないと
okadatoshi様のブログについていけなくなりそうです。

あっ もうついて行けないレベルだったのでした。(笑)
Commented by okadatoshi at 2014-09-28 18:01
shinmamaさま
チェバとメネラウスの定理は、旧課程では“研究”で触れてもよい範囲でしたが、新課程では教科書にきちんと掲載されています。なかなか理解しにくい範囲です。
喫茶店でタバコの箱や名刺のタテヨコ比からでもネタが話せるようにと、前期の終わりに話したのですが。
線引きだけで等分に分けるという移動中に考えられるタイプの問題は私も好きです。
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