昨日触れた作家たちの戦争の中で、戦後になり公職追放された菊池寛氏の次の発言画面もありました。▼
8/12のblogで敗戦直後に発行された1945年10月号の文藝春秋を紹介しました。
この薄っぺらの31頁の冊子の冒頭に菊池寛は、『其心記』を掲載しています。
ファッショ化していく軍部の台頭の中で、彼自身の関わりと戦後の状態でどう生きるかについての深い掘り下げは残念ながら響いてきません。
画面をクリックして“+”を押すと拡大され読めます。▼
30頁の“レイダー”です。今も文芸春秋のコラムにある“新聞えんま帖”の前身でしょうか。マスコミ批判が載せられています。▼
編集後記のある31頁です。▼
戦前の文藝春秋は、作家のゴシップ記事を中心にしたどちらかと言えば柔らかな雑誌でしたが、戦後は「世界」や「中央公論」と対極の保守色の強い総合雑誌へ軸足を置いています。
戦前の行動について、戦後自由にモノが言える社会に中で、戦前の自分の行動を検証し続けた作家の一人に火野葦平がいます。
火野葦平の自殺については、1960年安保直前の“漠とした不安”が触れられていますが、彼の文筆活動の中で戦前の行為と真摯に向かい合った誠実さを感じます。
昨晩は、NHKの「シリーズ日本新生 戦後68年 いま、"ニッポンの平和"を考える」を視聴しました。
出演者の中では、土井香苗(
ヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)氏の日本の外交努力への提言に新鮮な視点と提言を感じました。